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【見沢知廉追悼詩集】(珊瑚)

※メールマガジン「殺気ある文学」に掲載した文章です※

黒旗

放射状に広がり分散して行くのが科学で、偽善で、政治で、幸福論で、 宇宙だ。

逆に中心の一点に向かって集中して行くのが哲学で、情念で、文学で、 殉教で、太陽だ。

絵画的に云えば海軍旗と日の丸の違い。

妥協の円周から遠く離れ、内側から世界を刺した貴方を想う。

僕のお日様はあの日から真っ黒だ。

回転速度

見沢さんの本を初めて手にしたのはいつだったか。

読んでると其れだけで脳がちかちかする様な快感を覚えた。

自分では形に出来ずもやもやと胸に燻らせて居た何かが、確かに結晶 して居た。

其の物語の絶頂は、頁を手繰る指を焼くかと思われる程煮え滾って居 て一瞬で大好きに成った。

七号病室

読み終わるのが勿体無くて大事に大事にゆっくり読もうとしたけれど、

やっぱりすぐに読んで仕舞った。

面白くて。

あのちかちかする感じは相変わらずだった。

読んでる間は違う時間が流れてた。

散る名前

スイトピー、アネモネ、ヒヤシンス、チューリップ。春に咲く花は ドレスのような名前ばかり。部屋にはそれが一輪生けてある。

蝶々、花粉、媚態、乱交。いのちの輪転が重々しい水分になって、 花びらを悲しくする。脈打たせる。

そんな全てと無関係に見える。あんなにも軽く煙草の灰みたいに風 に散る。春が来る度に記憶が舞うよ。

血もなく。思想もなく。遺伝子もなく。木漏れ日もなく。詩ですら なく。無上に美しくあなたを埋め尽くして居て欲しい。
(珊瑚)

さんご 見沢知廉ファンクラブ白血球團 運営委員


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